最近 ＮＨＫテレビで車中泊を面白く取り上げていたので、私の４０年来続けているドライブ旅行の
記録も少し整理してみようと思い立った。
私がドライブ旅行に興味を持ったのは、１９６３年に四日市市に転勤してからである。
それまで大阪・堺にいた頃は特に車を意識したことが無かったが、四日市では郊外の独身寮からは
交通の便が悪く、時代の流れもあって自然と車に興味を持ち始めた。
６４年春頃から自動車学校に通い、運転免許証の来る前にＮ氏とトヨタ・パブリカの中古車を共同購入し、
開通して間もない名四国道で路上運転の練習をした。
それからは休日毎に、堺から来た同僚や若い寮母さんを乗せて、伊勢志摩や琵琶湖周辺を走り回り、
秋には待望の上高地・乗鞍方面に足を伸ばし、釜トンネルの急坂を必死にアクセルを踏んで走破した。
その頃は国道も未舗装が多くトラックの後になると、前面ガラスに砂ぼこりが積り、前が見えないので
ワイパーで除けながら走ることもあった。また道路も工事中が多く急な峠越えなどがあって、自動車
による冒険旅行に「私の魂」が揺さぶられた。(これが後のアラスカ・カナダのドライブ旅行となった)
６５年夏には、レンタカーによる北海道一周旅行を企画した。
道内までは国鉄で往復し、札幌で三菱コルトをレンタルし、洞爺湖から襟裳岬へ、道東観光地を周遊して
サロマ湖まで行き、帰りはノサップ岬を経て釧路でレンタカーを返却する、約３，０００ｋｍ・１１日間のドライブ
旅行を楽しんだ。
その後寮の近くの中古車屋でヒルマンワゴンを５万円で購入し、信州、伊豆半島を走り廻ったが、
パブリカに比べて室内も広く馬力があって、快適なドライブが楽しめた。
この年の秋に同僚３名とヒルマンで九州一周を計画した。
初日は防府まで、２日目に鹿児島まで突っ走って旅館に泊まった。３日目桜島フェリー乗場で乗船しよう
としたら、突然エンジンが動かなくなった。そこで近くのガソリンスタンドに頼み、トラックで牽引して
エンジンを始動し、予定を変更して市内見物だけで旅館に引き上げた。
翌日も案の定エンジンが始動しないので、セルモーターを取り外し修理屋へ持って行き、中古のセルを
５千円で購入し、再びセルを取り付けたら見事始動した。
その後高千穂峡、熊本城、阿蘇高原を走り、日暮れ頃に九重高原ホテルに近づいた時、今度は
ヘットライトが切れ、窓から懐中電灯で道を照らしながら辿り着いた。
最終日はエンジンが止まるのが心配なので、防府から一気に１７時間走り通して四日市に帰った。
この行程は全て私一人で運転したため、一週間はエンジンの臭いが身体に染み着いて、
二度とハンドルを持ちたくない気分であった。
６７年秋に結婚し、当時発売間もないホンダ
Ｎ３６０で、黒四ダムと信州蓼科高原に新婚旅行に行った。
その後は子供を二人授かり、７１年に車もホンダＮ３６０からＨ１３００に乗換え、家族４人で少しでも安く
ドライブ旅行が出来るよう、テントを積み込んで南紀や信州を車中泊で走り回った。
７５年にはスカイラインワゴンの中古車を購入、７７年にはキャラバンワゴンが発売されたのでそれに乗換え、
８７年のモデルチェンジに買い替え、９７年のエルグランドで現在に至つている。
この間、３０数年間キャラバンを乗り継いでいるが、代々性能がよくなり特にエルグランド(ディーゼルターボ)は
現在１３年２５万キロを走行しており、外観にはへこみやキズがあるが私の年齢に相応しい愛車となった。
これからの目標は、ＮＨＫドラマ「道しるべ」のように、身体が不自由になった家内を車に乗せ、日本国中を
思い出を辿りながら旅したいという不遜なものであるが、今は元気に飛び回っているので１０年くらい先になる
かと思っている。(その時は私も８０歳を過ぎるが)
以下に、車を使った旅行や登山の主な記録を記載しましたので、こんな人生の楽しみ方もあることを知って
いただければ幸いです。
